キスの柚庵干し



キスの柚庵干し


 キスがたくさん釣れた時のお勧め調理法を紹介します。題して、「キスの柚庵干し」。
 日本料理で、魚を付け焼きにする時の、「醤油+みりん+日本酒」の下地のことを「幽庵地」と言います。これをちょっとアレンジして、さらに柚子(ユズ)を入れたのが、「柚庵地」です。この柚庵地に釣れたキスを漬けて干したのが、「柚庵干し」です。
(この「幽庵地」という名前は、江戸時代、琵琶湖のほとりの堅田に住んでいた茶人の北村幽庵が、琵琶湖のゲンゴロウブナを料理するのにこの下地を用いたことにちなむものです。)

 レシピです。

  1. キスは、まずウロコを落とします。ペットボトルのフタを使い、円周部の縁のところでこすると簡単です。
  2. キスの頭を胸びれのところから落とします。頭上半分を切って、下半分は引っ張るようにしてはがすと、内臓が一緒に取れます。
  3. 背開きでも腹開きでもどちらでも構いませんので、2枚に開きます。刺身包丁の先の方を使います。
  4. 内臓を水洗いしてよく掃除します。中骨はよっぽど大型(20cm以上)とかでない限り、そのままで大丈夫です。
  5. 海水くらいの塩水で最後にもう一度洗います。
  6. 醤油カップ2+みりんカップ1+日本酒カップ1+スダチ絞り汁5〜6個分の付け汁を作り、この中に開いたキスを20分〜30分漬けます。(本来は柚子を使いますが、徳島なのでスダチを使っています。)
  7. 漬け終わったら、布巾で漬け汁をぬぐってから、干し器で一夜干しにします。干し器は釣具屋さんに、チャックがついてハエがたかったりネコに取られたりしないようにしたタイプの物が売られています。(写真参照
  8. 干し時間は、夏なら昼間で4〜5時間程度です。直射日光にはあてないようにし、風通しのよいところに干します。気温が高すぎる時間はむしろ避けた方が無難です。その意味で、夜中に作って、夜半に干し始めて、次の日の午前中の11時くらいまで干すのが丁度いいやり方です。

 干し上がったら、冷蔵庫に保管しておきます。焼く時は3〜4分あぶれば十分で、それ以上焼くとみりんが入っているので焦げます。
 味は何とも言えない上品な味で、食べると病みつきになること、請け合いです。是非一度お試しください。 

(2003年9月19日)


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