2001年9月末にクラシックギターを購入しました。(高校時代フォークギターを弾いて いました。)購入してからギターを手にした人が一度は弾いてみる「禁じられた遊び」(愛のロマンス)を毎日練習しています。
この曲、誰でも弾けるくらい簡単と思われがちなのですが、きれいに聞かせるのはかなり大変です。練習しながら 私なりに気がついた点をまとめてみます。同じくらいの初級の方の参考になれば、と思います。
- テンポ:この曲の代表的演奏は、もちろんナルシソ・イエペスですが、イエペスはかなり速めのテンポで旋律を際だたせるような弾き方をしてい ます。映画のサントラ版でも、他の録音でも通して大体2分20秒くらいで演奏しています。これと対極的なのがジョン・ウィリアムズで、全部で3分以上か かっています。どっちを取るかは好みの問題ですが、ゆっくり弾く方が実は大変です。弾いているうちに加速しやすいので注意が必要です。と、思っていたら、 久しぶりにレコードを取り出して、レナータ・タラゴの演奏を聴いてみたら、これがまた全体で2分丁度の猛烈スピード。最初、45回転で間違えてかけたのか と思いました。素人が真似をするのは危険ですのでやめましょう。(^_^;)スピード以外に、全体で「3X3=9」のリズムを意識することも必要です。
- 旋律:昔のギターの教本には、この曲は「アポヤンドとアルアイレ」の練習曲として出ていま した。アポヤンドとは、指が弾いた後隣の弦で止まるような弾き方で、アルアイレは逆に触れないように弾きます。つまり、薬指の旋律部がアポヤンドで、伴奏 のアルペジオを弾く人差し指と中指がアルアイレで、旋律部をはっきり目立たせるというわけです。しかしながら、最近はこの2つの区別はあまりうるさく言わ ないようです。それに、旋律部をアポヤンドで弾くと、「ターターターターターター」という単調な感じになります。私はむしろアルアイレでもいいので、一音 一音はじくように弾いて「ターンターンターンターターター」のような感じで弾いた方が好ましいように思います。また、主旋律はほぼ1弦だけで演奏されます ので、どうしても指をすべらせながら、音程のずり上げ・ずり下げ、いわゆるポルタメントをかけたくなります。しかし、実際に自分で弾いた音を録音して聞い てみると、過度のポルタメントは崩れた感じがして、決して好ましいものではありません。自然に出るポルタメントはともかく、それ以外はフレットからフレッ トに移動するときは、1回指を離すぐらいの方がいいのではないかと思います。1弦の押さえる指は、単純ですので色々なやり方がありますが、楽譜に指示して ある標準的なやり方に従った方が不要なポルタメントがかからないようです。
- めりはり:この曲は、旋律が単純なだけに、どこも同じ調子で弾きがちになりますが、強弱のメリ ハリをつけることは非常に重要だと思います。音程が上昇するときは基本的にクレッシェンド、逆はデクレッシェンドで弾くのがいいようです。また、12フ レットを押さえる部分は思い切り強調してもいいように思います。また、この曲はAABBAのダカーポ形式ですが、うまい人は繰り返すときに微妙に強弱を変 えています。
- その他:私もそうですが、ロックやフォークギター系の人は、左手の親指がネックの端まで来て いることが多いようです。この理由は、左手親指で6弦をミュートしたりするためですが、この曲を弾くときは、左手の親指をネックの真ん中に置くスタイルの 方がいいと思います。そうでないと、Bパートの最後の部分で、Eのコード形を押さえたまま、小指で6弦の4フレットを押さえるところがありますが、この時 指が届かなくなります。また、クラシックギターは弦のテンションが弱いので、ハイフレットを弾くとき、いわゆるチョーキングにならないように気をつけま しょう。音程が狂ってしまいます。
- 演奏例:私の最近の演 奏例(2006年5月21日演奏)をご紹介しますので、物好きな方は聞いてみてください。MP3ファイルで1,589KBあります。断っておきま すが、素人のそれも練習中の例ですので、下手だと言わず暖かい目で見守ってやってください。(A=444Hz、これはイエペスと同じピッチです。)(録音 データ: Behringer B-2 コンデンサマイク 無指向性モード X 2 +ART DualMP マイクプリ + YAMAHA REV100(リバーブ)+ONKYO SE-U55+Sound Engine Free、場所:自宅自室)